原価は、物を販売する際は確実に必要になる知識の一つです。
原価に対する知識を深めることで利益効率を改善する為の手段を考えることできます。
逆に原価に対する知識なしに商売をしても思ったように利益を上げることが出来ずに苦労する可能性があります。
ここでは原価について詳しく掘り下げていきます。
原価とは
原価とは、元値・仕入れ値などの呼び方をされる場合があり、商品を作るために掛かった金額、仕入れるために掛かった金額の事を指します。
100円で仕入れたリンゴを500円で販売した場合、原価は100円となります。
包装、梱包を行い商品を販売している場合、この包装費用は原価には含まれません。原価はあくまで商品の元値であり、包装費用は別に計上されます。
100円で仕入れたリンゴを10円の袋に入れ500円で販売した場合の原価は100円です。
原価率とは
原価率とは、販売額に対しての原価の比率の事です。
商売を行う上では一つの商品の原価率よりも、全体の売上に対しての原価率を求めることが主流であり、原価の改善を行う場合はその中から特定の商品の原価率に対して掘り下げていく事が多いです。
100円で仕入れたリンゴを500円で販売した場合の原価率は20%です。
計算方法
原価÷販売額=原価率
理論原価
理論原価とは、原価に対する理論値です。理論原価は金額ではなく原価率で算出します。
販売する商品によっては理論原価と原価は同じ金額になりますが、商品や売り方によっては理論原価と原価の間に差が生じます。
食品の販売は特に理論原価がぶれやすくなります。
一つのメニューに対して使う食材がマニュアルで決まっている場合はそのマニュアル通りに作った場合が理論原価です。
マニュアルから1gでも違ってしまえば理論原価はブレてきます。
理論原価は原価を下回る可能性も、上回る可能性もあります。
理論原価の使い方は、あくまで理論値であり、原価との差が大きくなれば商品作成に何かしらの問題があることを知ることが出来ます。
発注原価
月毎に売上は計上されていますが、原価も同じようにその月の原価として計上されます。
月の原価= 販売された商品の原価+在庫
上記の計算で月の原価を算出します。在庫が残っているので理論原価よりも高くなります。
在庫含めての原価を発注原価などと呼びます。
売上原価・実原価
売上原価・実原価は、発注原価と違い実際に売れた商品に対しての原価の事を指します。
「原価」が発注原価を指すのか実原価を指すのかは企業により異なります。
実原価の求め方
実原価=先月の棚卸額+当月の発注原価額-当月の棚卸額
棚卸
棚卸とは、月末の残っている在庫数を確認する事です。
月末の在庫数を確認することで実原価を求めることが出来ます。
原価に対する考え方
原価に対する考え方は各業種によって異なりますが、ここまで説明してきた内容がベースとなります。製造業などの場合、製造過程に使用した人件費も原価として計上される場合もあります。
原価率を下げるための対策
原価率を下げることは利益率を上げる事に直結します。
そのため原価率を管理する事はとても重要です。原価率を下げるための方法を紹介していきます。
原価率を下げるとは
原価率を下げるとは、原価を下げるか売値を上げるかの二通りの方法しか存在しません。
原価率を下げるためには売値を維持しつつ、仕入れ値や作成に掛かる金額を下げる必要があります。原価を下げる場合は仕入れ先の見直しや、製造工程の見直しを行います。
売値を上げる
売値を上げる事で原価率を下げることが出来ます。
原価額が変わらず売値を上げれば一つの商品での利益額は上がります。
原価を下げるよりも現実的な施策でありますが、売値を上げると簡単に言ってもリスクが伴います。売値は業界ごとで一つの水準が存在し、売値を上げる事で競合他社に顧客が流れてしまう可能性があります。
その為、目先の利益にとらわれ売値を上げた場合、利益率は上げるかもしれませんが、全体の売り上げ減少につながってしまう可能性もあります。
全体の原価率で管理を行う
よく使われる商法の一つとして、原価ギリギリの商品を売り出し集客を行い、原価率が低く売値の高い商品を販売する手法です。
高に見かける超安売りをしているお店は、安売りをすることで集客を行いその他の商品で利益を出します。
こういった商法で原価率を上げたとしても売上向上につながり利益額の向上に繋げる手法もあります。
まとめ
原価の正しい意味を理解することで数字に対する考え方が変わります。
商品の販売に対して理解を深めたいのであれば自分が携わっている業種の原価について理解する事が利益率の改善などに繋がります。